ABOUT
- STORY
「サヨコ伝説」--3年に一度、この学校に幸運をもたらす都市伝説。 だが、六番目のサヨコは恐怖をまとっていた!
高校3年生の演劇部、雅子が通う学校には「サヨコ伝説」という不思議な言い伝えがあった。3年に一度、生徒の中から選ばれる「サヨコ」は、3つの約束(始業式に赤い花を生ける・文化祭で「サヨコ」の舞台を上演する・次の「サヨコ」を指名する)を果たす。他の誰にも「サヨコ」であることを知られずに遂行すれば、その年は進学率の向上など、幸運が訪れる。
その六番目の年。
始業式の朝、演劇部の部室に赤い花が生けられていた。そこに津村“沙世子”という謎めいた転校生が現れる。彼女は演劇部への入部を希望し、不思議な空気を残して去っていく。
演劇部が文化祭の準備を進める中、部長である雅子は「サヨコ」の舞台を上演することに反対する。だが、演劇部の周囲で次々と不可解な現象が起きていく。謎を追う秋。どうやら、その中心には沙世子の存在が……。
彼女は何者で、何を企んでいるのか。彼女が「呼ばれた」理由は?「サヨコ」とは何なのか?舞台「六番目の小夜子」は誰にも想像できない展開になっていく…。
- 総監督:鶴田法男氏のコメント
日本を代表する作家、恩田陸さんのデビュー作『六番目の小夜子』をJホラー演出で舞台化できないかと依頼を受けた。米国や中国にも呼ばれてホラー映画を作ってきた自分だが、舞台は初挑戦で不安になる。だが、高い演技力で評価を得る乃木坂46の鈴木絢音というたぐいまれな才能を主演に迎えることができた。その他、スタッフ、キャストも優秀な演劇人、舞台経験者が参加することになった。これなら大丈夫と自信が持てた。
今、時代を怯えさせるのは「幽霊」、「妖怪」をも呑み込む「都市伝説」の恐怖だと思う。
小説『六番目の小夜子』が時を経ても高い人気を誇るのは、とある学校で3年に1度甦る「サヨコ伝説」という都市伝説を描いた先見性にあったに違いない。そして、コロナ禍でコミュニケーションが希薄になった現在だからこそ、人々の関係性から生まれる「都市伝説」をテーマに、この優れたジュブナイル小説を舞台化する意義は大きいはずだ。
どうぞ「六番目の小夜子+Jホラー+舞台劇」の新しい恐怖を劇場で体感してください。
- 原作紹介
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恩田陸『六番目の小夜子』(新潮文庫刊)
津村沙世子――とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。
恩田陸先生プロフィール
1964年、宮城県出身。1992年、小説『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞および第2回本屋大賞を受賞。2006年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞を受賞。2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞および第14回本屋大賞を受賞。近刊に『失われた地図』『錆びた太陽』『祝祭と予感』『歩道橋シネマ』『スキマワラシ』『灰の劇場』などがある。
- 公演概要
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■公演名 舞台「六番目の小夜子」
■原作 恩田陸『六番目の小夜子』(新潮文庫刊)
■総監督 鶴田法男
■脚 本 小林雄次
■演 出 井上テテ
■企画協力 新潮社
■主催 舞台「六番目の小夜子」製作委員会